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第1話 紅蓮根とベーコンのアーリオオーリオ
・・・の前の、お酒の話 その1
何気ない言葉から、キャラをマーケティング的にとらえる
何気ない言葉から、キャラをマーケティング的にとらえる
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「あっ」

 これはまだ、コロナ禍以前の頃の、ある5月の夕方の話です。エミーこと山根恵美はマーケティング部門で働く31歳。会社のロビーで、同期入社で営業部門にいるコータ(加藤康太)を見かけて声をかけました。

エミー「おす!」

コータ「わっ、なんだよ、今日はダメダメ、外回りで疲れてんだから」

 コータは営業から帰ってきたばかりでしたが、エミーにこのビルの地下にあるカフェ・ロロに連れていかれました。コータがコーヒーをトレイに乗せて、エミーのいる席を探していると、そこには、やはり同期のさくらが来ていました。

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 エミーがさくらを連れているときは、必ず何かを企んでいるので、コータは警戒モードに入りつつ・・・自分は平穏であるがごとく、

コータ「お、さくら、久しぶりじゃない。マーケに移ったんだよね?」

 さくらは、入社後営業部門に配属されましたが、今年の春に突然の異動でマーケティング部門に移り、エミーと同じグループに配属されました。

さくら「そう、毎日エミーにこき使われてる、この間だってね・・・」

話を続けようとしていたさくらの言葉をエミーは嬉しそうな顔をしながら遮りました。

エミー「それでね!・・・“今週の金曜日”、空いているよね?」

すると遮られていたさくらが

さくら「るる、もう予約しちゃった」

コータ「なんで?また急に」

コータは嫌な予感があたった、と思いました。

エミー「ふ~ん、サトシが帰ってくるんだけど、それでも嫌なの?」

コータ「え?あの関西支社に行ってたサトシが帰ってくるって!、それは出張で?それとも・・・」

さくら「そう、6月から本社に決まったんだって。その前に一度来るんだって」

コータ「また中途半端な時期に・・・人事異動の季節は終わったばかりでしょう。まあそれもサトシらしいけど。それにしてもさくら、いつも情報早いね。いったいどこで仕入れてくるの?」

 実はこのエミー、さくら、コータ、そしてサトシの4人は同期入社で新人研修のときは同じ班でした。エミーは研修時の班のリーダー、さくらはリサーチと資料作りの担当、コータはエミーに言われるまま、だけど直感が働く。サトシは当時からして謎。という感じで、その構図は今でも変わっていないようです。お互いこれまで、仕事の関係とは言え、いわば飲み仲間みたいな関係なのでファーストネームで呼び合っています。

 エミーは常にリーダーシップをとってしまうのですが、今やマーケティング部門ではなくてはならない存在。さくらは資料作りの天才と言われエミーの片腕に。コータは普段はめんどくさそうにしているけど営業としては同期の中ではトップクラス、そしてサトシは・・・・同じ社内でも何をやっているのか?他の3人には不思議な存在です。

コータ「あいつ、東京に戻っていったい何やるの?今ひとつ、謎だよね?」

すると、さくらが答えました。

さくら「サトシはね、日本酒が大好きで、レアものがあるお店に行きたいっていうか、それなら、赤坂の“るる“がいいんじゃないかって。野菜好きのエミーも喜ぶし・・・」

コータの心の中------いや、仕事の話してんだけど・・・ま、いいかえ?エミーって野菜好きだったの?。で、俺の都合は?・・・。