DRM(ダイレクトマーケティング関連)でよく聞かれるのが、「効くDM(ダイレクトメール)」と言ったような言葉。メルマガにしても、SNSにしても、どのようなデザイン、コピーにすればレスポンスが獲れるのか?と言ったような話が出ます。
しかしこれらは、最低でも3回やらない限り、どんなに優れたコピー、デザインのものを作ったとしても、効き目は限られてしまいます。
このことについて、3つにまとめてみました。そして、実はこの話、しっかり脳科学 / ニューロマーケティングで裏付けられます。
(加筆)
なお、この3回やるというのは、以下のような言い方もできます。
人間の脳は、1秒あたり1100万bit(≒全角文字で687,500の情報にさらされています。ところが、そのうちたったの50bit(≒全角文字で約3文字分)程度しか処理できません。
しかも、忘れる。
つまり、1回だけ何か伝えても、それをターゲットの頭に残すのは、なかなか難しいものがあるのです。
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1. DM、あるいはネット系、なんであろうと、メディアのひとつ
DRM(ダイレクトマーケティング)ではDM、メルマガ、SNS(以下、ダイレクトメディア)など、これらはすべて、マスメディアとは全く異なる展開をするものだというイメージが強いです。
マスメディアではテレビCMに代表されるように、同じものを何度も流します。新聞、雑誌、ラジオ、すべて同じです。しかし、ダイレクトメディアを取り扱うひとたちは、なぜだか一発で決めようとしてしまう場合が多いように思います。
(ただしSNSやYouTubeに関しては、もうマスメディアと同じですから、繰り返し行われることが多いです)
しかし、マスメディアであろうと、ダイレクトメディアであろうと、メディアには違いないわけです。
また、その視点からしますと、「効くDM」「効果のあるメルマガの方法」「効果のあるSNS集客」と言ったようなことは有り得ない、と言うことにもなろうかと思います。
2. 人間は忘れる
なぜ3回もやる必要があるのか?それは、人間は新しい情報を得ると、その瞬間から記憶の行程が始まりますが、同時に忘却もスタートするからです。
(記憶が)生成された直後から、記憶は減衰し始める。(中略)学習直後の1時間以内に、学習された情報の50%がすでに失われる。学習後最初の24時間で大部分が忘却されており、その後、忘却率は横ばいになった(Moran Cerf, Manuel Garcia-Garucia 2019 : p156-157)。
3. DRMer(ダイレクトマーケター)は経験的に3回組む
私がこの世界に入った頃から、DMを3回打つ、というのは確立されていました。第1信、第2信、第3信、というように。
当時はインターネットによるマーケティングはまだ存在しなかったので、DM単独、あるいはDMとアウトバウンドのテレマーケティングの組み合わせでした。
つまり、この方法は多くのDRMerが伝統的に行っている方法でもあるのです。
結論
だから、制作物(クリエイティブ)だけを見て、このDM、SNS、or メルマガが効くかどうか?というのは分からないわけです。
まずは3回やる、そこからはじめましょう。
参考文献
Moran Cerf, Manuel Garcia-Garucia『コンシューマー ニューロサイエンス』共立出版、2019。
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