Q2では、あなたについて伺いましたが、Q2bではこのイラストについて伺いました。
facebook からこのページに来た方は、気づいたかもしれません。しかしこのホームページにダイレクトに来た方は、この質問自体が分からないですよね?
なお、今回はふたつの似通った概念が出てくるので、分かりずらいかもしれません。
そして、元の絵はこうです。
1) どこが違うか分かりますか?
そうです。「エミー」という文字と、「ぶりの煮つけ」と言う文字です。皆さんが左から二番目の女性をエミーだと認識し、真ん中右側の料理をぶりの煮つけだと認識するまでには段階があります。
脳にとっては初めて見るものはただの点と線での集まりでしかない。
しかし、これがイラストだと言うことを知っており、かつ左から、若い男性、女性がいて、その親らしいふたりがいる。また、絵が描かれているものはどうもごはん、味噌汁、そしておかずらしい。(ここでおかずがぶりの煮つけだと思う人もいれば、何だろう?と思う人もいる。
事前にこのホームページを見ていた人は、あの女性だ!と思ったかもしれない。
「な~んだ、その女性はエミーという名前なのか?」「やっぱり、ぶりの煮つけだったんだ」というような感想を得たかもしれません。
一方、直接このページに初めて見た方は、最初からエミーだと認識して、当ホームページ度々出てくるので、「あっ、エミーだ!と思うかも知れません。
2) プライミング効果、トップダウン注意
簡単に言ってしまうと、事前に無意識のうちに見たり聞いたりしたことを、再度経験したときに、その記憶の理解が深まる、と言ったところでしょうか?ただし、それは個人によって異なります。
つまり、前述の1~4、どこから始まるのか?個人によって異なるわけです。
このことは、多少ニュアンスが異なるのですが、プライミング効果、あるいはトップダウン注意と呼ばれるもので言い表されます。
さて、このエミー、実は、当ホームページはあるところでたくさん出てきます。ここでこの女性をエミーだと認識した方と、初めてそのコンテンツでエミーだと認識した方とでは、認識の度合いが違う、ということになりますね。
あるいはその逆もあります。 3) ここから分かること、マーケティングへの転用
とかく、相手はこれを見て分かるはず、という前提で組んでしまうマーケティングは意外に多いです。しかし、ターゲットにとっては分からないわけです。
それを防止するには、「複数回提示すること」「情報を小出しにしていくこと」
DRM(ダイレクトマーケティング)ではティーザーと言う形で、レスポンスを獲得する本体のマーケティング以前に予告編のようなことをやることがあります。予告をしておくことで、本体のDMなりメルマガなり、ランディングページを見たときに、その人が受け入れる情報が増幅するんですね(プライミング効果)。また、その情報を受け取るひとたちは、自ら自分が知っているものをその中か探しだすようになる(トップダウン注意)。
そうです、一発で決めようとしても、「何これ?」で終わってしまうわけです。特にダイレクトマーケティングをやっている方々は、この辺要注意です。
<参考文献>
Moran Cerf, Manual Garcia-Garia (著)『コンシューマーニューロサイエンス』共立出版、2019年6月15日、p119。
川口潤「プライミングの認知心理学」『失語症研究 1995年15巻3号』日本失語症学会(現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)、1995年9月30日、p225)
Comments