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テレワークを行っている人の75%が、テレワークを行うのに個人的な投資が必要だと考えている

最終更新: 1月4日

 テレワークが進んでおりますが、そうした中で、現在テレワークをしている人の中で、75%の人が個人的に何かしらの投資(例えば、部屋づくり、オフィス家具の購入、パソコン購入、通信機器、オフィススペースの確保、周辺機器、スキルアップ、その他費用を要するもの)が必要だと考えていることが弊社の独自のアンケート調査で分かりました。

 このことは企業側がテレワークを実践するにあたって十分な環境を用意、支援していないとも言えるでしょうし、個人でわざわざ環境を整えるということは、仕事をするのに必ずしも会社に依存しない、ということになってしまうとも言えるかと思います。

 現状ではまだまだテレワーク=個人事業主と同等と考えている人は4.4%であるもの、10万以上の投資を必要と考えている人が33.8%もいることは注目に値することでしょう。

 テレワークの傾向はコロナウィルス以前からはじまっており、テレワークを行っている人の17.7%が2019年(要するにコロナ以前)からテレワークは始まっていました

 コロナウィルスはきっかけに過ぎないようです。

 これには二つの側面があるように感じます。


1.日本企業は社員への環境提供が不十分?

 

 日本に滞在経験がある、スイスIMD教授兼DBTセンター所長のマイケル・ウェイド氏は日本企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の遅れを指摘しています。日本はAI(人工知能)といった技術力では世界をリードしているもの、世界競争力ランキングで34位企業の順応性は世界63位(IMD調査)*1。

 もちろん、必ずしもテレワーク=DXではありませんし、日本の企業はテレワークを行うにもいっけん、デジタルによる環境整備を進めているのかもしれません。しかし同教授が指摘しているとおり、日本の企業はデジタル化というと「デジタル化のためのデジタル化」「手段が目的化」をしてしまう*2。

 企業からするとこのことは、多額の投資が成果となって見えないことから、フラストレーションになるのではないでしょうか?しかしそれはテレワークをする社員の方も同様で、会社はテレワークを推奨していても会社に来てしまうのにはやはり環境の不整備といった問題があるかと思います。

 家にいると仕事に集中できない、と言う声も聞かれますが、同調査では、テレワークには必ずしもネガティブとは言い切れません

 さて、目標設定なしにデジタルを導入してしまうので失敗してしまうことが多い(これについてはまた別の機会に述べます)。結局、社員からすれば不十分な環境となり自ら投資をしなければならなくなってしまいます。

 もちろん、これまでもサラリーマンは会社で仕事をするとなるとスーツを買ったり、自らスキルアップをねらっての学びへの投資をしているので、それまでかけていたお金がスライドしただけ、という見方もあります。

 また、企業側からしても、こうしたテレワーク社員に対しての投資を行った場合の会計上の都合もあるでしょうから、一方的に企業側の問題とするのも限度があるように思います。

 なお、同アンケートでは、「テレワークに期待している」人は31.9%おり、「これまでと違う仕事の進め方が必要」と考えている人が37.1%もいることから、テレワークを推進しようとする企業側と個人(社員)との間のギャップが伺えます。

2.サラリーマンと個人事業主の垣根


 前述したように、現在テレワーク=個人事業主と同等と考えている人は4.4%に過ぎませんが、いずれサラリーマンと個人事業主の境目がなくなる可能性も高いように思います。

テレワークに期待している人、これまでと違う仕事の進め方が必要と考えている人はそれぞれ3割以上もいます。また、10万円以上の投資が必要だと具体的に金額を示している人が33.8%計算中などを含めると表題の通り75%にも上ります。

 テレワークをしていると、はっきり言ってその社員がどのように時間配分をしているのかは分かりません。同調査では、「今の仕事メインに、サイドビジネスをやりたい」が12.2%、「今の仕事をサブにして、新しい仕事をメインにしたい」が8.3%(MA)いました。私個人の感触としては、テレワークに慣れる人が増えるにつれ、こうした人たちは増えるようにも思います。

 また、個人での投資、例えば、会社で使うためのパソコン(場合によっては会社から貸与される)と自分が独自に始めたビジネス用のパソコンを使い分けるためのものであるとすると、これはもう実質個人事業主のようなものです。

 個人事業主間、中小企業間では意外にテレワークをする環境はそろっていて、大企業よりも進んでいると言われる面もあります。私の感触ですと、個人、あるいは中小企業の場合、かなりの確率でDropboxを使っています。一方で大企業の場合、Dropboxは禁止ということもあり、これによってファイル転送のスピードは圧倒的に個人、中小企業の方が早い、といった現象が起きていたりします。

 自分が行っている会社の仕事の一部をアウトソースすることもできるわけです(もちろん勤務規定やモラルの問題はある)。仲間同志、あるいは家族でシェアと言うことも可能なわけです。

 もちろん、個人事業主となることばバラ色とは限りません。企業側が社員の勤務状況が分からない以上、成果主義の傾向が強まる可能性もあります。

 今回はちょっとした調査でまだまだGTレベルで解析といったレベルのものではありませんが、このテーマ、もう少し詳しく探っていきたいと思います。

 いっけん些細なことかもしれませんが、明らかにパラダイムシフトとであると考えるからです。

<注釈>

*1 広野彩子編・著、マイケル・ウェイド「第12講デジタルトランスフォーメーション(DX) 日本式マーケティングが稼げない理由」『世界最高峰の経営教室』、日経BPマーケティング、2020.10、P196-199を要約。

*2 日経BPマーケティング、p206-297を要約。

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