​NT式!DRM(ダイレクトマーケティング)概論

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講師マーケティングプランナー 細野晴義

エミーとコータの物語 第1話の解説

はじめまして。まず最初に物語を示した理由をお話します。

※読みにくい方は以下のPDFファイルをダウンロードしてください。

 はじめまして。マーケティングプランナーの細野と申します。今日のマーケティングで重視されるものの多くはDRM(ダイレクトマーケティング)から派生したものです

 A/BテストカスタマジャーニーリーズジェネレイションナーチャリングCRM・・・他にも、マーケターは造語が好きなので私も知らない言葉がたくさんあります。

 DRMはシステマティックであるという特徴があります。そのため、領域がとても広く、DRMに関わるひとたちは特定の領域に深くなりがちです。その深さは私などは到底及ばないでしょう。その点では皆さんの方が私よりもプロです。

 しかし、例えば顧客分析をしているからといって、数字ばかり追っていてもだめで、動画など広告としてかかわっているからと言って顧客分析のことを知らないのも困ってしまうのがDRMの特徴とも言えます。

物語を示す理由

 まず、どうして物語を示したか?についてお話します。この物語はいろんな業種、職種の方ができるだけ実感できるようにと、マーケティングのいろんなケースを基に凝縮して、描いてみたものです。

 ですから、一言一言にマーケティングの教科書や現場で知ることが反映されています。

「気になるところマーキングしてください」とは言うもの、本当に気になりだしたら、ほぼ全文マーカーで埋め尽くされると思います。

マーケティングは暗記科目ではない

 マーケティングは暗記科目ではないということ。まずはこれを頭にたたきこんでください。それは、マーケティングで学ぶことは文学、法律、経済学など、あらゆる知識の体系と異なり、あくまでも、経験値の積み上げで、しかもそれは変化してしまいます。私も含めて、誰ひとりとして、マーケティングのすべてを体験することはできません。どんなにベテランであっても、マーケティングの事例は星の数ほどありますから、極々、わずかな経験をしているに過ぎません。

 でも、「どうやらこれは共通していると言えそうだ」というのはあり、今風に言えばシェアされて誰かがモデル化して、かつ体系化されたもの、それを「マーケティングにおける理論」と称しています

 だから知識から入るのではなく、まずは感じてもらうこと、それが大切です。この物語を読むことによって、皆さんが日ごろの生活の中で感じていただくきっかけとなること、それを目指しています。つまり、皆さんが目にすること、聞くこと、におい、味、触った感じ、すべてがマーケティングです。ということは寝られなくなりますね。(笑)

 

物語に潜むマーケティング体験

たくさんのことが詰まってます!

 物語に入ります。エミーとコータ、ふたりはマーケティング部門に配属されたひとたち、つまり販売側にいる人たちですが、ふたりとも、ひとりの消費者でもあります。ただしここでは、ふたりが勤める会社の業種は特定しませんでした。どんな業種のマーケティング部門なのか?それはみなさんご自身だと思ってください。

 そのため、どんなメディアで送られてくるのか?などは私の方で敢えて指定はせず、皆さんに自由に描いていただくことにしました。これは、皆さんが実際にプランニングをする場面では、「取材をする」という行程になります。

まず、ふたりのキャラ設定について考えてみましょう。

単純に、「キャラ設定」と言っていますけど、マーケティング的には以下のように整理します。

  • デモグラフィック属性--年齢、性別、年収、学歴、家族構成、(居住地域)など

  • ジオグラフィック属性--その土地の場所、都道府県や市区町村、人口、人口密度、気候、風土など。

  • サイコグラフィック属性--その人の価値観、嗜好、生活、宗教、その他、心理的な要因に関するもの​-さ-

物語の中では、企業に関するキャラ設定もでてきました。

  • 企業の属性--年商、従業員数、資本金、所在地域、業種など。

ここでは

さて次に、物語に入ります。

以下の解説文も、気になるところをマーキングしてみてください。

まず、

  •  売る側と消費者側、この違いは非常に重要です。多くのマーケターは「自分ならこうする」と自分の経験を一般論に置き換えようとする傾向があります。しかし、その人が行っているマーケティングの事例は世の中に無数に、星の数ほどある事例のいくつかに過ぎません。また、自分自身が消費側にいるときは売る側の意図など意識はしないでしょう。衝動が買いだってあるはずです。自分がどうしてそれを買ったのか分からないことも多いはずです。

  •  エミーとコータ、ふたりは共に(この物語を書いている2020年において)32歳です。非常に微妙な年代です。なぜなら、生まれたころにはすでにデジタルなものがある、「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代が登場して数年が経過した頃からだからです。一方で、意外にスマホの方が日ごろの生活では優先されるので、パソコンに弱いところもあります。

  •  エミーがメカニックに強く、コータがスペックにあまり関心がないのも面白いところです。一昔前なら、女性=機械に弱い、男性=機械に強いでした。この物語のタイトルは女性であるエミーを先に出しています。顧客データベースでは、男性=1、女性=2と記録されるのが普通でした(アパレルや化粧品など女性向けの商品を中心としている場合を除く)。

  •  エミーはもう、マーケティングを10年近くやってきているので、自分自身に自信を持っていることでしょう。コータはそれまで営業部門に所属し、マーケティングについて学んだわけではありません。つまり、エミーは自信を持っているが故にその経験にとらわれている可能性があります。コータは未知の世界に入ったことからピュアに受け止めますが、営業との比較をついついしてしまいます。

  • エミーとコータが勤める会社は消費者向けの商品です。エミーはメルマガなどを通じて直接顧客との接点がありました。しかしその顧客とはあくまでも自己申告であり、どれだけ購入しているのかまでは分かりません。コータは消費者向けの商品を扱っていることから、自分の会社はBtoCだと思っていたのですが、実はBtoB営業でした。

  •  エミーはイメージしていたものと届いたものとの違いはなかったようです。コータはイメージしていたものと届いたものはなんか違う、でした。だけど満足はしています。画面で見るものは自ら光を発している媒体です。しかし、届いた現物は、光の反射で見ているという違いがあります。皆さんご存知のとおり、光の3原色と、色の3原色は異なりますね。

  •  二人に届いたものはどうでしょうか?最初はYouTubeやSNSに表示される広告で、あるいはメルマガで。自分で検索(マーケティングをする側からすると、プル戦略)はしていますけど、どちらかというと受け身(マーケティングをする側からすると、プッシュ戦略)です。また、これらの広告手法はとてもたくさんの人に送っているようですけど、制作費やメディアの費用を見ている人の人数で割ると、総額では高額だけれども、一人当たり単価は安そうです。

  • (YouTubeのURL付きのメール、QRコード付きのメール、定期的なメルマガ、ダイレクトメールなど読者の皆さんが想定された)送られてきた理由はなんでしょうか?

  •  ふたりが見ているダイレクトメールやメルマガと、そこから誘因されるWEBサイトや動画は全く異なるものでした。エミーからすれば顧客の好みに応じて商品写真や説明を変えるのは当たり前のことでした。エミーはそれをパーソナライズと呼ぶことも知っています。コータはパーソナライズについてよく知りませんでしたが、エミーに送られてきたものと、自分に送られてきたものとではまるで違うことを感じます。

  •  エミーに送られてきたメルマガはテキストメールでした。ダイレクトメールにも文字がびっしりです。ところがコータに送られてきたものはメールはHTMLメールで、写真中心でしかもモデルさんも出ています。

  • しかし、メルマガは毎回見るでしょうか?

 いかがですか?物語を読んでいくと、そこにはたくさんのマーケティング体験をしていることが分かりますよね。それは普段の皆さんも同じです。

 では、その裏付けとなる理論を次に見てみましょう。この講座の冒頭で物語をまどろっこしいと思った方と、物語をたどった方とでは、すでにもう情報量がまるで違いますし、分析の視点も違うはずです。

 

マーケティングの視点を身につけるには

 他にもないかどうか?もし仲間がいたら、ぜひ話し合ってみてください。話し合うこと、これはとても効果があります。なぜなら、前述したように、この世の中誰しも、すべてのマーケティングを体験することはできないからです。同じ会社の同じ職場の人でも、感じ方は違います。

 一消費者でもあるエリーとコータは自社商品についてではなく、他社商品(業界も違うかもしれない)を題材に議論をしています。これもとても重要なことです。なぜなら、自社商品については消費者よりも詳しいはずだからです。つまり、自社商品についてだけ考えていると、ついついその道のプロの目線で見てしまいます。対して、顧客は概ね、その商品については素人です。

 また、自分の業界の他社事例は役立つかというと意外にそうでもありません。何故なら、同じ業界であってもその業界の中でどの位置にいるのか?によって重視する点も異なれば顧客層も異なるからです。

 それでは、いくつかの理論を通じて、ここまで述べたことを整理してみましょう。物語から言えることはあまりにも多く、すべての理論を示すことはここでは不可能ですが、ご容赦ください。

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